2014/04/23

露結手水鉢落葉重ね

 晩秋から冬にかけて雨の多い金澤の紅葉は、落葉してからの楽しみも多い。
濡れた枯葉は長い間艶を保ちながら地面や石段、周り中を鮮やかに彩って風景を
一変させる。
 卯辰三社への入り口千杵坂脇にそっと鎮座する古い大きな手水鉢に落葉した紅葉が幾重にも層を作って沈んでいた。
 蒔絵を施した透明な板を何層にも何層にも重ねて苔むした石枠に嵌め込んだ工芸品・・・そんなコトを夢想する。ちょっと怖いくらい美しい水と紅葉の光景。

※この写真では分からないけど「露結」(と正面に大きく彫られている)の意味については例えばこちらを参照。加賀藩にも縁のある小堀遠州が「莊子」の得魚而忘筌、得兎而忘蹄」の一句から汲み取った深い意味を背後に秘めた二文字。
2013年12月1日16時28分撮影
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金澤桜絵美術館

 兼六園と金沢城公園は桜が最も美しい期間、一週間以上に渡って夜間ライトアップ&無料開放される。観光客にはモチロン、金澤人にとっても仕事、学校終わりにゆったりと園内、城内の桜を楽しめる嬉しい時期。(金沢城公園は通年無料)
 
 金澤の桜の醍醐味は、月を眺める時と同様に「前景と背景が調和した瞬間を絵の様に」味わうトコロにある。石川橋から桜霞を眺める、お堀通りから石垣に二段構えに咲く桜を見上げる、金沢城公園内、切手門脇に立つ老桜と対面する・・・様々に調和する美しい桜風景の中から「さらに自分好みのポイント」を見つける贅沢な楽しみ。沢山の絵画が飾られた巨大な美術館の中を歩きまり、自分の一枚を品定めする様な。
 ゆっくりと淡く染まりゆく空を背景にそびえ立つ、3年を超える時間をかけて可能な限り当時のままに復元した金沢城菱櫓(元々残っていた石垣を極力活かして新しい石垣を繋いでいる様子が写真からも分るでしょう)と桜が創る堂々の立体絵画。この日この時だけの。
2014年4月11日18時24分撮影

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