2013/01/20

梅ノ橋 雪白洲舞台


 浅野川に掛かる梅ノ橋、前の晩に晴れたり降ったりしながらフンワリ積もった雪が(この街の冬は微風の日が比較的多い。最も風が強いはずの川の上、橋の欄干にも練り物を板に載せた如くこんもり積もっている)この日一日通勤通学、散策の人達にしっかり踏み固められて、橋の上は艶のある細かい白砂利をびっしり敷き詰めた様。
 刻々と移り変わる細かいグレーの階調で構成された金澤らしいの冬の曇天。 空の何処かがちょっとだけ開いて、そこから漏れた夕暮の蒼味も微かに交じりながら徐々に闇へ向かいつつある・・そんな時間。
 このままここで「能」が始まりそうな・・そんな雰囲気(能舞台の周りに白砂利を敷き詰めるのは舞台が野外だった時の名残、白洲に光が反射して役者の顔がよく見えるように・・という配慮から)夕暮の雪白洲の照り返しに浮かぶシテ方はきっと妖しく美しいだろうな。
 そんなコトを用事を済ませた帰りに渡りながらフト思った。
 橋の袂にはコミュニティバスの停留所もあり、界隈に住む人には何気ない日常風景の一つ・・でもある。
2013年01月18日 17時26分撮影
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2013/01/08

しいのき迎賓館 淡雪夕景

最低気温があまり下がらない金澤の雪は降っては消えを繰り返す。クリスマスイブのこの夜も新雪の様な光景。
均一に薄く積もった雪が、しいのき迎賓館周辺に広がる広坂緑地に柔らかいグラデーションを作っている。
建物と庇のカーブ、一筋の足跡、芝生のなだらかな斜面が作る闇(道路を通るクルマのライトが見えないようにしてある)
その奥に点々と並ぶ、路面だけを照らし光が拡散しない歩道照明、
そして軽く雪をまぶされ浮かぶ石垣、(木々に極力照明が当たらない様に配慮されている)
様々な要素がバランスした「この時この位置からだけ」の眺め。
旧市街散策中によく出会う「ちょっとした光景」は誰が意図したモノでもないけど
街の造形の細部に渡って細やかな神経が行き届いているからこそ現れる。
そういう意味で実はこれもとても金澤らしい風景。
2012年12月24日 17時17分撮影

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