2012/11/27

紅葉雪吊り画 兼六園

  晩秋の澄み渡る大気を鮮やかに染める太陽が、紅葉の盛を迎えつつある卯辰山方面を柔らかく照らす夕暮。
 霞ヶ池を背景にした徽軫灯籠の光景が有名だけど、卯辰山を借景に霞ヶ池のほとりから唐崎松方面を眺めた光景もオススメ。
 栄螺山に登る途中、手前の紅葉、雪吊りを施された見事な松とその先の卯辰山、空とその色を反映する水面・・・様々な要素が刻々とバランスを変えながら一瞬一瞬の光景を展開していき、時々パズルのピースが全て嵌るように「画」が現れる。絵画の中を歩きまわる様。
 そんな感覚を楽しみながらの散策はこの庭園の醍醐味だろう。

 この日はライトアップ夜間無料開園(年に何回も「見頃の時期」の週末に開催、桜の季節は一週間以上に渡り実施。さらに25年度からは大陸のホリデーに合わせ2月の長期夜間無料開放も開始)こんな美しい夕暮の後、今度は艶やかで幻想的な光景が展開する。市の真ん中、21世紀美術館の筋向いに広がる豊かな庭園。
2012年11月25日 16時32分撮影
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2012/11/18

ムーンナイト・ホークス しいのき迎賓館‘石の広場’

 様々な表情を見せる月夜の旧市街の中で多分もっとも不思議なバランスなのが此処だろう。しいのき迎賓館ブラッスリー ポール・ボキューズの裏手の‘石の広場’、そこから連続して、緩やかな起伏をつけた広大な芝生、その奥に金沢城の複雑に構成された美しい石垣・・今まで県庁始め様々な施設があった場所を再整備(主に郊外に移転)、シンプルな中にも実は手の込んだ美しい空間を出現させた。(画面奥、点線で横切る道路照明一つとっても絶妙な塩梅)
月も「どんな風に照らそうか・・」迷っている様な・・・。

20世紀アメリカ具象絵画の第一人者エドワード・ホッパーの代表作「ナイト・ホークス」(夜更かしする人々)という絵(都会の深夜、そこだけ明るいダイナーに座る大人の男女を描いたスタイリッシュな絵画のムードにも似た・・オシャレでどこか少しだけ現実離れした光景。これも金澤の旧市街らしい月夜の光景。Titleもそれをちょっともじって・・・つけてみた。
まだまだ夜は始まったばかり&そんなスラングは無いだろうけど(^^ゞ 
2012年10月02日 20時23分撮影
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2012/11/15

紅葉印象派 主計町

 金澤では桜と同様、紅葉も場所ごとに時間差でバラエティー豊かに進行する。
 複雑な高低差のある地形の影響はモチロンのこと、その豊かな植物相・・・市の中心部斜面に広がる何百年も手付かずの多種多彩な原生林(加賀八家筆頭、本多家五万石の広大な敷地内だったため、長らく入らずの森だった)隣接する、歴代の藩主が思い思いに造園した兼六園・・・さらには1960年代に植えられ紅葉の定番になりつつある中央公園通りのアメリカ楓並木 そしてここ主計町は樹齢100年超の染井吉野もある桜並木。

 雨がパラついた後の、真っ白い雲間に覗く澄んだ淡い青空をバックにまばらに染まり始めた桜、美しいラインの浅野川大橋の袂にはまだタップリ緑の葉を付けた柳、後ろには既にかなり染まった対岸の桜、その奥にまだ紅葉半ばの卯辰山・・・
 自然の地形を見据えた上で何世代にも渡って景観を整えてきた金澤らしい、様々なカタチと色に溢れた秋の光景。
印象派の画家が色彩分割画法で描いた絵の様な・・・現実の光景。
2012年11月10日 11時06分撮影

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2012/11/14

夕暮蜃気楼 犀川

浅野川に比べて川幅も広く水量も豊かな犀川、ここはいつも豊富な水がゴウゴウ音を立てて流れ落ちている可動堰。
犀川を朝に夕に眺めながら育ったので、大体のコトは知っているつもりだったけど、こんなにハッキリと、まるでスクリーンの様に街並みを映している認識はなかった(流れ落ちる水が作るカーテンに周りの光景が映る・・・当たり前といえばそうなんだけど)。

絶えず細かく躍動しながら流れ落ちる水にユラユラ映る風景はちょっと現実離れしていて・・・パラレルワールドの様。
現実の街並みを反映している様で実は向う側にある世界を蜃気楼の様におぼろげに見せているのかも・・・
そんな錯覚に捕らわれても不思議じゃない、幻想的な優しく美しい眺め。
夕明りを背景に浮かぶ対岸寺町台地のシルエット(子供の頃は、つい遊びに夢中になっていると「いつの間にか巨大な壁が出現している」みたいでちょっぴり怖かった)その稜線の所々、キラキラ明りが灯る美しい夕暮。
2012年11月05日 17時10分撮影
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雨の釉薬 紅葉 帰厚坂

金澤は雨も多いけど日照時間もそれ程少なくない(ここ20年くらい平均で東京の約9割)
確かに冬に限って日差しは少なくなるけど、それでも細かい晴れ間が無数に挟まる日は多い(何回も・・というよりは‘無数’と言ったほうが感覚的には近い。天気雨も多いし)
街中・・・家々も木々も道路もシットリと濡れたトコロに陽光が当たってきらめく、そんな光景が頻繁に出現する。

卯辰山中腹へ伸びる帰厚坂は最期の藩主が民衆のための厚生施設建設事業の中で切り開いた坂筋が原型。‘藩主の厚き徳に帰する’坂というのが名の由来。(城を見下ろすコトが出来る、という理由でそれまで庶民の卯辰山入山は禁止されていた。確かにこの遥か向う正面には兼六園の木々が見える)
その両サイドから気の早い木々達が散らした葉、まだまだ紅葉もまばらな森、連なる瓦屋根・・・全てが柔らかい艶を放っている。まだまだ紅葉序盤の美しい光景。
2012年11月10日 13時25分撮影
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2012/11/07

桜白洲 兼六園

複雑な地形の旧市街では桜は一斉に満開を迎えない。高低差や日当たりの違い・・様々な地勢的要素の違いにより細かく時期をずらして咲き誇る。
小立野台地の終わりに立地する兼六園も同じで、園内の桜はあちらこちら時間差で満開を迎える。
旧市街同様、時間差で花見、花吹雪が楽しめる。そして散った後も・・
この日、花吹雪を観ようと園内お目当ての場所へ出掛けてみたら、既にかなり散ってしまっていたんだけど・・・代わりにこんな素敵な光景に出会えた。
ゆっくりゆっくり流れる曲水が優しく一枚一枚を寄せて桜の‘白洲’を作っている。
(画面上方の花びら達は今にも白洲に加わろうしている最中)
思わず見入ってしまう。穏やかな流れならではの密集具合。砂紋の様な模様も美しい。(クリックして頂ければわかるけど、こぼれた砂利が沈まずに!乗っている)
だけど・・きっと長くても数時間で崩れてしまう儚い光景でもある。
これも金澤らしい花見。2012年04月21日 17時49分撮影
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2012/11/01

ようこそ金澤コンシェルジュへ

金澤は、その狭い旧市街に多くの魅力的な点を含んだとても趣深い複雑な面。
 ここは
従来のポイント、イベント、特定地区メインの観光ガイドから一歩踏み込んだ

「旧市街全体を味わってもらうためのガイド」サイトです。
「普段の金澤に溢れる真の金澤らしさ」を

訪れる方にも、住んでいる方にも改めて知って頂くために

金澤がなぜ独自の文化を持った街なのか。そしてそれを‘更に金沢らしく’発展させ続けられているのか
 起伏の多い地形の高低を結ぶ多くの趣のある坂、狭い路地や用水が巡る複雑に入り組んだ街の構造、 変化に富んだ気候が見せる多彩でダイナミックな風景、 細やかに移ろう季節の香り、 意識するしないに関わらずそれらに毎日接しているコトに根本の原因があると私は思っています。

 旧市街の日常の細部、一瞬に宿る美、趣きに接し続けるコトで育まれていくこの街ならではの美意識。 いわば「金澤美意識原器」。 

 金澤らしさとは何か・・と問わればそれは 
「そういう美の基準を元に世代を超えて育まれてきた、生活の全てに宿るこの街独特の趣き」 

 このサイトでは旧市街の日常に溢れるそれらを拾い集めて簡単な解説を付けたモノを延々アップしています。  金澤という街の底知れない魅力を皆さんにお届けしたいし、私もまだまだ発見していきたい。

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