2012/06/24

湖上の夢笛

桜が満開の時期もそうだけど、多くの入場者が見込める百万石まつりの三日間も兼六園は無料開園&夜間ライトアップ無料開園(夕刻18時に一度閉めて19時に再び開園)
辻口パティシエの創作菓子も楽しめる「おもてなしカフェ」(飲み物とセットで250~300円。かなり良心的な価格設定)も臨時開設、一流の奏者によるミニコンサートも開催されるなど無料だからとおざなりにしないどころか、さらなるサービスを重るのは金澤らしい。
霞ヶ池に張り出した内橋亭で行われるコトが多いけど、この時は浮かべた小舟で、藤舎眞衣さんによる篠笛の演奏会。
たまにしか行われないイベントなのに(そもそも霞ヶ池に浮かべた舟での演奏は珍しい)照明の配置も(舳先にちょこんと置かれた電池式行燈もgood)クリアに音を拾うワイヤレス・システムも完璧、絶妙な塩梅で舟をコントロールする船頭さんの竿さばきも密かに見事。
なによりも藤舎さんの夢の様なパフォーマンス。「ため息の出るような」・・・ちょっと不思議な位の光景。
ミニコンサート(20分弱)であるコトも「夢現の光景が通りすぎていく」印象を深めている様な。
薪能も同様だけど、無料だからと言って一切手を抜かない・・・どころか最高の演出を、当たり前にさりげなく行う。ケレン味ゼロの本物で魅せる街。
2012年06月03日 19時15分撮影

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2012/06/18

百万石薪能

百万石まつり、と言えばとかく華やかな行列に注目が集まりがち。

だけど実は、前夜の燈ろう流し、そして当日夜の薪能もとても魅力的。
晩春に満ちる濃い緑の薫りの中、ゆっくりゆっくり夜の帳が降りる頃に始まるこの二つのイベントは、金澤の魅力をしみじみ体感できる催し。
開演三十分前からの「子ども能・狂言」、その後二時間、これからの加賀宝生を支える若手から重鎮の方々まで出演される豪華な内容。
少しずつ暗さが増す中、そしてこの夜の強い風に、紙垂が盛んにはためいて 炎がゆれ煙がたなびき、城内遠くからは風に乗って微かに蛙の合唱が聴こえ・・そんな中でゆっくりゆっくりと進行していく能を眺めるのはとても贅沢で、その本来の魅力が沁みてくる。
地謡と囃子のゆったりとした流れ、全ての瞬間が美しい動きと佇み、・・野外の絶えず変化する環境での観能はなおさら「静の美」がひしひしと伝わってくる。
無料!というコトもあって気軽に立ち寄ってしばし眺め・・・虜になる人も多い。
(退屈そうに帰ってしまう方も中にはいらっしゃるけど)
こんな良質な能の催しが無料でさりげなく行われ・・・それを毎年多くの人達が当たり前に楽しむ。藩政期の金澤に花開いた多彩な文化が受け継がれ発展し続ける理由はこういうトコロにもある。単に「戦災を免れて」残っているワケでは全くない。
2012年06月02日19時56分撮影

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