2012/12/26

東京ではなく、金沢に住むという選択


例えばパソコンとネットがあれば仕事が出来る人達の様に「場所に限定されない」スタイルの仕事に従事する人が
「住む場所」として金澤を選択するコトが増えている。
実際私の周りにも東京やニューヨークから、一線の仕事を続けながら移り住んできた人がいる。
「そういう人達の受け皿としての金澤の魅力」をより高めるべく、老舗料亭「金城樓」を会場に
日本建築家協会北陸支部主催のシンポジウム「東京ではなく、金沢に住むという選択」が2012年の冬に開催された。
強力なパネラーが多数出席し長時間に渡るプログラム(5時間半で10分の休憩を2回挟んだだけ)は金澤らしく無料、
さらに2部ではビールが振舞われるなど大盤振る舞いのシンポジウム(^.^)
そのオープニングとして制作した三分強の映像✕音楽作品。
今回は旧市街の美しく多彩な日常の光景を「光」をテーマに構成。
住んでいる人達には「自分の街の素敵な趣きを再認識」して頂ければとても嬉しいし
訪れる方々には「観光ポイントだけではなく街全体に美しい光景が溢れているコト」をぜひ知って頂きたい。
2012年12月22日 金城樓にて
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2012/12/07

まるさんかくしかく 鈴木大拙館

開館からようやく一年少しの大拙館(かなり前から此処にある様な気がするのは・・・この場所にとても自然に溶け込んでいるからだろう。借景の‘本多の森’と一年中ホント見事な相乗効果を生み出している)
館の方から「壁面に反射する波紋が綺麗ですよ」とオススメされていたんだけど、なかなかそのタイミング、太陽が傾きつつある時に行けずにいた。
二度目の秋を迎えるこの年「今年は素晴らしい紅葉と一緒に、ぜひその波紋を見てみよう」と時間を見計らって出掛けた。
これは建物が水鏡の庭と壁面に幾何学的な影を落とし始め、その中で同心円がユラユラ輝くようになった時の光景。
「波紋を起こす装置」が作動するのは約三分に一度。静寂な水面に「ポワッ」と波が立ち・・円を描きながら進んでいき、やがて影の中に煌めく同心円が広がり、乱れ、消えてゆく。穏やかで美しい光景。
後で写真を眺めていてふっと思い立った。此処にもこの館の、大拙の重要なモチーフ「まるさんかくしかく」がある!
建物に巧みに仕組まれた同モチーフと違い、時間限定、天候にも左右される光景。
大拙翁がフラッと現れてニコニコと語りかけている様な・・そんな気もする。
2012年11月25日 15時00分撮影

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2012/11/27

紅葉雪吊り画 兼六園

  晩秋の澄み渡る大気を鮮やかに染める太陽が、紅葉の盛を迎えつつある卯辰山方面を柔らかく照らす夕暮。
 霞ヶ池を背景にした徽軫灯籠の光景が有名だけど、卯辰山を借景に霞ヶ池のほとりから唐崎松方面を眺めた光景もオススメ。
 栄螺山に登る途中、手前の紅葉、雪吊りを施された見事な松とその先の卯辰山、空とその色を反映する水面・・・様々な要素が刻々とバランスを変えながら一瞬一瞬の光景を展開していき、時々パズルのピースが全て嵌るように「画」が現れる。絵画の中を歩きまわる様。
 そんな感覚を楽しみながらの散策はこの庭園の醍醐味だろう。

 この日はライトアップ夜間無料開園(年に何回も「見頃の時期」の週末に開催、桜の季節は一週間以上に渡り実施。さらに25年度からは大陸のホリデーに合わせ2月の長期夜間無料開放も開始)こんな美しい夕暮の後、今度は艶やかで幻想的な光景が展開する。市の真ん中、21世紀美術館の筋向いに広がる豊かな庭園。
2012年11月25日 16時32分撮影
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2012/11/18

ムーンナイト・ホークス しいのき迎賓館‘石の広場’

 様々な表情を見せる月夜の旧市街の中で多分もっとも不思議なバランスなのが此処だろう。しいのき迎賓館ブラッスリー ポール・ボキューズの裏手の‘石の広場’、そこから連続して、緩やかな起伏をつけた広大な芝生、その奥に金沢城の複雑に構成された美しい石垣・・今まで県庁始め様々な施設があった場所を再整備(主に郊外に移転)、シンプルな中にも実は手の込んだ美しい空間を出現させた。(画面奥、点線で横切る道路照明一つとっても絶妙な塩梅)
月も「どんな風に照らそうか・・」迷っている様な・・・。

20世紀アメリカ具象絵画の第一人者エドワード・ホッパーの代表作「ナイト・ホークス」(夜更かしする人々)という絵(都会の深夜、そこだけ明るいダイナーに座る大人の男女を描いたスタイリッシュな絵画のムードにも似た・・オシャレでどこか少しだけ現実離れした光景。これも金澤の旧市街らしい月夜の光景。Titleもそれをちょっともじって・・・つけてみた。
まだまだ夜は始まったばかり&そんなスラングは無いだろうけど(^^ゞ 
2012年10月02日 20時23分撮影
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2012/11/15

紅葉印象派 主計町

 金澤では桜と同様、紅葉も場所ごとに時間差でバラエティー豊かに進行する。
 複雑な高低差のある地形の影響はモチロンのこと、その豊かな植物相・・・市の中心部斜面に広がる何百年も手付かずの多種多彩な原生林(加賀八家筆頭、本多家五万石の広大な敷地内だったため、長らく入らずの森だった)隣接する、歴代の藩主が思い思いに造園した兼六園・・・さらには1960年代に植えられ紅葉の定番になりつつある中央公園通りのアメリカ楓並木 そしてここ主計町は樹齢100年超の染井吉野もある桜並木。

 雨がパラついた後の、真っ白い雲間に覗く澄んだ淡い青空をバックにまばらに染まり始めた桜、美しいラインの浅野川大橋の袂にはまだタップリ緑の葉を付けた柳、後ろには既にかなり染まった対岸の桜、その奥にまだ紅葉半ばの卯辰山・・・
 自然の地形を見据えた上で何世代にも渡って景観を整えてきた金澤らしい、様々なカタチと色に溢れた秋の光景。
印象派の画家が色彩分割画法で描いた絵の様な・・・現実の光景。
2012年11月10日 11時06分撮影

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2012/11/14

夕暮蜃気楼 犀川

浅野川に比べて川幅も広く水量も豊かな犀川、ここはいつも豊富な水がゴウゴウ音を立てて流れ落ちている可動堰。
犀川を朝に夕に眺めながら育ったので、大体のコトは知っているつもりだったけど、こんなにハッキリと、まるでスクリーンの様に街並みを映している認識はなかった(流れ落ちる水が作るカーテンに周りの光景が映る・・・当たり前といえばそうなんだけど)。

絶えず細かく躍動しながら流れ落ちる水にユラユラ映る風景はちょっと現実離れしていて・・・パラレルワールドの様。
現実の街並みを反映している様で実は向う側にある世界を蜃気楼の様におぼろげに見せているのかも・・・
そんな錯覚に捕らわれても不思議じゃない、幻想的な優しく美しい眺め。
夕明りを背景に浮かぶ対岸寺町台地のシルエット(子供の頃は、つい遊びに夢中になっていると「いつの間にか巨大な壁が出現している」みたいでちょっぴり怖かった)その稜線の所々、キラキラ明りが灯る美しい夕暮。
2012年11月05日 17時10分撮影
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雨の釉薬 紅葉 帰厚坂

金澤は雨も多いけど日照時間もそれ程少なくない(ここ20年くらい平均で東京の約9割)
確かに冬に限って日差しは少なくなるけど、それでも細かい晴れ間が無数に挟まる日は多い(何回も・・というよりは‘無数’と言ったほうが感覚的には近い。天気雨も多いし)
街中・・・家々も木々も道路もシットリと濡れたトコロに陽光が当たってきらめく、そんな光景が頻繁に出現する。

卯辰山中腹へ伸びる帰厚坂は最期の藩主が民衆のための厚生施設建設事業の中で切り開いた坂筋が原型。‘藩主の厚き徳に帰する’坂というのが名の由来。(城を見下ろすコトが出来る、という理由でそれまで庶民の卯辰山入山は禁止されていた。確かにこの遥か向う正面には兼六園の木々が見える)
その両サイドから気の早い木々達が散らした葉、まだまだ紅葉もまばらな森、連なる瓦屋根・・・全てが柔らかい艶を放っている。まだまだ紅葉序盤の美しい光景。
2012年11月10日 13時25分撮影
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2012/11/07

桜白洲 兼六園

複雑な地形の旧市街では桜は一斉に満開を迎えない。高低差や日当たりの違い・・様々な地勢的要素の違いにより細かく時期をずらして咲き誇る。
小立野台地の終わりに立地する兼六園も同じで、園内の桜はあちらこちら時間差で満開を迎える。
旧市街同様、時間差で花見、花吹雪が楽しめる。そして散った後も・・
この日、花吹雪を観ようと園内お目当ての場所へ出掛けてみたら、既にかなり散ってしまっていたんだけど・・・代わりにこんな素敵な光景に出会えた。
ゆっくりゆっくり流れる曲水が優しく一枚一枚を寄せて桜の‘白洲’を作っている。
(画面上方の花びら達は今にも白洲に加わろうしている最中)
思わず見入ってしまう。穏やかな流れならではの密集具合。砂紋の様な模様も美しい。(クリックして頂ければわかるけど、こぼれた砂利が沈まずに!乗っている)
だけど・・きっと長くても数時間で崩れてしまう儚い光景でもある。
これも金澤らしい花見。2012年04月21日 17時49分撮影
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2012/11/01

ようこそ金澤コンシェルジュへ

金澤は、その狭い旧市街に多くの魅力的な点を含んだとても趣深い複雑な面。
 ここは
従来のポイント、イベント、特定地区メインの観光ガイドから一歩踏み込んだ

「旧市街全体を味わってもらうためのガイド」サイトです。
「普段の金澤に溢れる真の金澤らしさ」を

訪れる方にも、住んでいる方にも改めて知って頂くために

2012/10/31

蒼鷺庭園 時雨亭

兼六園の時雨亭は平成12年に再建された新しい建物だけど、そのルーツは1676年に5代藩主綱紀が建てた蓮池(れんち)御殿まで遡る。(その建物の周りに設えたお庭、蓮池庭が兼六園の始まりでもあった。その後6代藩主吉徳が規模を縮小して建て替えたものが明治初期まで残っていた)
再建にあたっても、極力当時を再現。建材にはじまり、一本の釘も使わない工法、漆を8層!も塗り重ねた深い艶の天井から、障子紙の特殊な貼り方に至るまで・・・一切の妥協はない(貴重な技術の継承、育成にも役立っているのだろう。設計会社を経営する友人が感心しっぱなし・・だった)

この日はたまにパラつく雨が、辺り一帯にシットリと艶を与え程よく匂い発たせて・・・此処で過ごすにはなかなかのコンディション。一般的には少し蒸す6月半ばのどんよりした夕方、だろうけど(^^ゞ

滝の音、水の音を聴きつつ、園内の様々な香りを運んでくる優しい風に包まれて・・・
なかなか暗くならない梅雨の夕暮、いつまでも動かない蒼鷺のいる庭園に相対している時間は淡く深く・・・とても金澤らしい味わい。
2012年06月16日 18時20分撮影
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2012/10/19

月下の‘現在’美術館

 夕暮れまでは、ダイナミックに微妙に変化する空の色を映し、そしてこんな夜は月が映える金沢21世紀美術館。
全面ガラスの外壁を通して優しい光を放つ建物は、周りに広がる芝生もフンワリ浮かび上がらせて普段の夜も充分に美しいけど、月との共演によってさらにグッと魅力を増す。
※有料ゾーン閉館後も外側の無料ゾーンは夜10時まで引き続き開館しているので、夜も柔らかく輝いている。(ちなみにこの日金曜は夜8時まで有料ゾーンも延長開館)
設計者であるSANAA(妹島和世、西沢立衛による建築家ユニット)はこの建物によってヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展金獅子賞受賞、建物自体も複数の賞を受賞している(2010年には建築界のノーベル賞とも言われるプリツカー賞も受賞)
単体としての建築も世界でオンリー・ワンの見事な存在だけど月下の姿もまた格別な美しさ。
「月に映える現代建築」を選定するコンクールがあったらまた一つ賞が増えそうだ。
2012年09月28日 18時29分撮影

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2012/10/18

Blue moon逍遥 石川橋

「山錦樓」トピックからさらに30分ばかり。
時刻は午前4時を廻って、いよいよ傾いてきた月を石川橋で眺める。
小立野台地の終わりに位置する金沢城と手前の兼六園を結ぶ橋。
江戸時代は百間堀と白鳥堀(明治になって埋め立てられて、今はそれぞれ交通量の多い道路と緑の深い散策路になっている)の境目になっていた土橋(橋ではなく堤状のモノ)だった。
桜の季節には多くの観光客で一日中賑わうこの橋は、視界も広く月を眺めるにも絶好の場所。
雲が増えてきて隠れている時間が長くなってきたけど、こういう時チラチラと顔を出す月と刻々カタチを変えながら流れていく雲の創る瞬間瞬間の光景はいいモノ。しばしば惚れ惚れ。
月が広い空に千切れ浮かぶ雲に複雑な陰影をつけ何処か艶かしい背景を創りだしている。
石川橋の欄干をモチーフに時間をかけて丁寧に描かれた古い油絵の様にも見える、一瞬の月景色。
2012年09月01日 04時05分撮影
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2012/10/17

Blue moon逍遥 山錦樓

夏も終盤に向かいつつある8月と9月の境目の夜、2012年は「月に二度目の満月」Blue moon。
夜の大気はワクワクする香りに満ちて、月を巡って歩くにはベストな頃。
「酔月」のトピックから30分も過ぎた頃、ちょっぴり傾きはじめた月が
犀川沿いの料亭「山錦樓」の上に浮かぶ。

こうやって何かの上に、何かを前景として浮かぶ月こそが金澤らしい味わい。子供の頃は絵本でみた様な・・広い空にぽっかり浮かぶ満月に憧れたコトもあったけど・・。
というかこっちの方が却って絵本みたいかも・・(^^ゞ

蛤坂の中腹に建つ三階建(こちら側、背面は四階建て)の建物は大正時代から今も変わらず金澤らしい・・不思議な存在感を漂わせている。
川のこちら側はかつて「人口あたりの飲み屋の数が日本一多い」と言われた繁華街。今でも川沿いに並ぶビルにはラウンジやbarがビッシリ。
ここにも柔らかい次元の境目がありそう。
2012年09月01日03時34分撮影

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2012/09/14

酔月 せせらぎ通り

 複雑な地形、曲がり角の多い道筋、込み入った旧市街に浮かぶ月は思わぬトコロに登場したり、いつの間にか消えてしまったりを繰り返す。そしてその場所、場所にハマって多彩な風景を作る。
犀川上菊橋上流から流れ込み中心部を流れていく鞍月用水が繁華街の裏手を流れる辺り。
高度経済成長期にかなり暗渠化されたけどその後見直され・・・今では‘用水の流れる小粋でおしゃれな裏通り’、こだわりのレストラン、ショップも多く並ぶ「せせらぎ通り」としてすっかり定着している。
(例えば左側、柳の脇に建つビルの1階は予約必須の人気イタリアンも入っている)
直ぐ裏手に長町の武家屋敷跡が広がるここら辺りは、さすがに夜の3時も廻って静かだけど、画面左方面にほんの200メートルも行けば・・まだまだ深夜営業のbarやクラブや居酒屋が軒を連ねるエリアになって明け方まで賑わう。
酔った人達の上に顔を見せる月、気が付く人にもそうでない人にも・・ちょっぴり妖しく秋の月が照らしている。
2012年09月01日午前03時00分撮影

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2012/09/07

四万六千日川柳行燈

 四万六千日は卯辰山の観音院を代表する年中行事。旧暦の7月10日(今年は8月26日)この日にお詣りすると4万6千日分お詣りするのと同じ功徳がある・・というコトで毎年多くの参拝者で賑わう。
暑い暑い夏の盛りにフウフウ言いながら観音坂を登ってお詣りをして、汗ダラダラで護摩焚きをされるお坊さん(お役目とはいえスゴイ・・)の脇を‘西国33ヶ所霊場御砂踏み’をしながら廻り・・開放された本堂の中を巡って玄関先に吊るす玉蜀黍(ひがし〜主計町周辺に観光で訪れた方はよく目にすると思います)を買って帰る。この日だけ焼きトウモロコシを売る屋台も出て・・・でもこちらも暑そう(^^ゞ

これは観音院へ続く長い参道沿いに灯る、四万六千日川柳行燈。(このタイプは「画のみ」バージョン。公募で選ばれた川柳短冊がレイアウトされているモノも沢山ある)
戦前からあって、しばらく途絶えていたものを平成になってまちづくり協議会の方々が復活させたモノ。四万六千日当日の二週間前くらいから観音町通り、約400メートルの参道のアチラコチラにポッポッ、と灯る。
この行燈は界隈を深く愛された版画家クリフトン・カーフさんの豪快で茶目っ気たっぷりな画がハマった一基。
2007年に80歳で他界されてしまっけど、妖しく楽しく仄かに灯る行燈を見ていると(見つめられると)彼の想いが直接語りかけて来る様。2012年08月16日23時00分撮影


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2012/09/01

夕暮れが最も遅い頃 サンセットリバー

 一年で一番遅く夜の帳が降りる6月下旬(この日、日没は19時16分。30分ほどは余韻が残るから完全な夜になるのは20時!近く)夏の中盤以降にもよく出現する、燃える様な濃い夕暮れを迎えている浅野川河畔。
複雑な地形と狭い道が入り組んだ旧市街では、東西の空が広く見渡せる二つの川は夕暮れの多彩な変化を眺める絶好の場。
山頂でご来光を眺め海で夕陽を見送る様に(サンライズ・ビーチよりも、サンセット・ビーチがすんなり来るように)
‘感覚的に低い方に陽が沈む’のが生理的にも受け入れられやすいだろう。
金澤の二つの川も下流方向に陽が沈む。
浅野川大橋(藩政期は「轟の橋」と呼ばれる木製の橋が架かっていたそうだ。参勤交代の行列もここを通った)方向、川下を向いて座り、背後から穏やかな川風を受け、ゆっくり色を変えていく幾重にも織り成す雲の帯ウットリ眺める。
これが川上方向だと多分・・‘なんとなく’しっくりこない(^^ゞ
・・実はこういうコトも金澤の魅力の一端。
このままここで暗くなるまで佇むのもいいけど、ひがし、主計町・・二つの茶屋街にも徒歩でそれぞれ1分、3分の距離。素敵なショーのアフターを楽しむお店にも事欠かない。
2012年06月23日 19時22分撮影
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2012/08/23

しいのき迎賓館 盛夏を過ぎた頃

ようやく朝晩たまに涼しくなるお盆を過ぎた頃から、空も秋の様相をチラホラ見せ始めるけど、
同時に溜まり溜まった夏の熱気が見せる「濃く柔らかい色合い」の夕暮れも頻繁に出現する様になる。
「中心部にこそ市民の憩いとなる広く豊かな空間を確保する」入念な都市計画の元、
郊外に移転した県庁の跡は、格調ある歴史的な旧庁舎の前半分を生かすカタチで
(これはそのアウトラインのまま全面ガラス張りになった後ろ半分)しいのき迎賓館とその廻りの芝生庭園として再生された。
広い広い空の下、この建物すぐ向うは道路を挟んで能楽美術館、21世紀美術館、左隣りは兼六園、真後ろには金沢城のお堀&石垣。
「ダウンタウン」(経済の中心となる地区)と「文化的中心」を分けるこの政策は旧市街の景観保全という点でもなかなかにgood。
今日は今年三年目になる「アカペラ・タウン」という音楽イベントが開催されていて
夕暮れのモワッとした大気がハーモニーで満ちていた。(街中13箇所で行われていたライブのファイナルステージ)
不思議な色が移り変わる空の下で座って眺める人、しばし立ちどまる人、通り過ぎる人・・・夏の夕暮れらしいユッタリした時間。
2012年08月18日18時27分撮影

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2012/08/20

終戦記念日 石川護国神社

雲が高い空は既に秋の気配を漂わせているけど、まだまだ暑い暑い終戦記念日の護国神社。
反りの無い真っ直ぐな円柱を組み合わせたシンプルで力強い鳥居は“靖国鳥居”と言われ全国の護国神社に広く見られるカタチ。
鈍い艶を放つ銅板で覆われた円柱の組み合わせが見せる荘厳な陰影は、この形式ならでは。
単体の建造物(オブジェ)として眺めても充分に美しい。
参道の入口に一つ、そこから右に直角に折れて拝殿に向かう入口にもう一つ。こちらは後者。
毎年この日、ここから拝殿までの広いスペースは大きなテントで覆われて沢山のベンチが並ぶ。
正午の黙祷からかなり時間が経っているけど、
茶色く沈んだ無人のベンチの列の周辺には、今日ここに参列した方々の想いがまだまだ残っている様。
画面奥は推定樹齢600年の五葉松。パワースポットとしても発信中なだけあってなかなかに存在感ある枝ぶり。
こうやって見上げると対照的なこの二つが相乗的なハーモニーを奏でているのがよく分かる。
2012年8月15日17時47分撮影
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2012/06/24

湖上の夢笛

桜が満開の時期もそうだけど、多くの入場者が見込める百万石まつりの三日間も兼六園は無料開園&夜間ライトアップ無料開園(夕刻18時に一度閉めて19時に再び開園)
辻口パティシエの創作菓子も楽しめる「おもてなしカフェ」(飲み物とセットで250~300円。かなり良心的な価格設定)も臨時開設、一流の奏者によるミニコンサートも開催されるなど無料だからとおざなりにしないどころか、さらなるサービスを重るのは金澤らしい。
霞ヶ池に張り出した内橋亭で行われるコトが多いけど、この時は浮かべた小舟で、藤舎眞衣さんによる篠笛の演奏会。
たまにしか行われないイベントなのに(そもそも霞ヶ池に浮かべた舟での演奏は珍しい)照明の配置も(舳先にちょこんと置かれた電池式行燈もgood)クリアに音を拾うワイヤレス・システムも完璧、絶妙な塩梅で舟をコントロールする船頭さんの竿さばきも密かに見事。
なによりも藤舎さんの夢の様なパフォーマンス。「ため息の出るような」・・・ちょっと不思議な位の光景。
ミニコンサート(20分弱)であるコトも「夢現の光景が通りすぎていく」印象を深めている様な。
薪能も同様だけど、無料だからと言って一切手を抜かない・・・どころか最高の演出を、当たり前にさりげなく行う。ケレン味ゼロの本物で魅せる街。
2012年06月03日 19時15分撮影

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2012/06/18

百万石薪能

百万石まつり、と言えばとかく華やかな行列に注目が集まりがち。

だけど実は、前夜の燈ろう流し、そして当日夜の薪能もとても魅力的。
晩春に満ちる濃い緑の薫りの中、ゆっくりゆっくり夜の帳が降りる頃に始まるこの二つのイベントは、金澤の魅力をしみじみ体感できる催し。
開演三十分前からの「子ども能・狂言」、その後二時間、これからの加賀宝生を支える若手から重鎮の方々まで出演される豪華な内容。
少しずつ暗さが増す中、そしてこの夜の強い風に、紙垂が盛んにはためいて 炎がゆれ煙がたなびき、城内遠くからは風に乗って微かに蛙の合唱が聴こえ・・そんな中でゆっくりゆっくりと進行していく能を眺めるのはとても贅沢で、その本来の魅力が沁みてくる。
地謡と囃子のゆったりとした流れ、全ての瞬間が美しい動きと佇み、・・野外の絶えず変化する環境での観能はなおさら「静の美」がひしひしと伝わってくる。
無料!というコトもあって気軽に立ち寄ってしばし眺め・・・虜になる人も多い。
(退屈そうに帰ってしまう方も中にはいらっしゃるけど)
こんな良質な能の催しが無料でさりげなく行われ・・・それを毎年多くの人達が当たり前に楽しむ。藩政期の金澤に花開いた多彩な文化が受け継がれ発展し続ける理由はこういうトコロにもある。単に「戦災を免れて」残っているワケでは全くない。
2012年06月02日19時56分撮影

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2012/04/30

浅野川桜夕景 藍鼠 水柿

 気象台発表による開花宣言から約一週間後の夜のはじめ。
満開のまま、まだまだ散る気配がない桜。
対岸の料亭の明りが川面を鈍い銀色に照らして、夜は夜ならではの趣。
(藍鼠の水面に水柿色に浮かぶ花・・・日本の伝統色はこういう微妙な色を的確に表現出来る)
私が四半世紀以上暮らした東京の花見は
「この一瞬を楽しまないと」と言わんばかりのドンチャン騒ぎが一般的だろうけど(^^ゞ 金澤では「本来の花見」を楽しんでいる姿を多く見かける。
昔からよく「金澤には大きなお祭りがない」と言われるけれど(例えば百万石祭りはパレード的な要素がメイン)お祭りの重要な効能「日常(ケ)から非日常(ハレ)への移行」は実は日々の暮らしの中、こういう光景の中で佇んでいる人の心の内面で起こっている・・・んだと思う。
別段、賑やかな「桜祭り」などをしなくても
「こんなシチュエーションでこんな光景を見上げていれば」充分に非日常(ハレ)の体験。
金澤は日常に非日常が、日々の暮らしの中に夢幻が入り混じる街。
2012/04/16 18:59
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2012/04/24

浅野川桜夕景 瑠璃紺 薄花桜

旧市街を流れる2つの川沿いは、何処の街でもそうであるように桜の見所にもなる。
ただ他の街とちょっと違うのは「ただそれだけをズラッと植えない」こと。
この桜のすぐ近く、ひがし茶屋街では藩政期、桜と柳が交互に配置されていたそうだ。
「色合いも良く、それはそれは優雅な景色だったと思いますよ」とこの街の歴史に詳しい方が仰っていた。
豊富な財力で「お城から桜霞を遠景を楽しむため」にあちらこちらに桜を植えたりしたけど「桜だらけ」の場所は特に無い。
浅野川沿いのこの場所もそもそも並木としては短い。対岸は半分松並木。そして橋の袂には柳、枝垂れ桜・・・・
こういう街の桜は物量よりも配置と枝ぶりの妙。
役者揃いの浅野川大橋〜梅ノ橋間の桜の中でも‘アタマ一つ’抜き出ている(と勝手に私が思っている)
この桜の写真を友人が「日本画の様ですね」と言うので
「それなら・・」とタイトルにもこの景色に近い日本の色の名前を探してあててみた。
沢山の微妙な色‘その名づけの妙’に感心すると同時に
「それだけ淡く微妙な配色の風景の中に暮らし、僅かな色の変化を慈しんでいたんだろうなぁ」と、羨ましくもなった。
薄闇に沈む桜を眺めながらそんな時代にちょっと想いを馳せるのも金澤らしい花見。
2012年04月12日18時42分撮影

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2012/04/23

花待月 立待月

日増しに蕾も膨らんで、間もなく開花を迎えそうな4月初めの夜。(金澤では例年桜の開花は4月の上旬あたり)
芽吹いてしまえばあっという間に空は覆われてこんな風には眺めるコトの出来ない「枝越しの月」
この日は雨が降ったり止んだり。速く流れる雲から月が出たり入ったり。
浅野川沿いに並んだお花見のボンボリに濡れた枝が艷めき、月の光が透明な大気、真っ白い雲に淡く散乱し・・・鈍く沈んだ金と銀の対比を見せていて思わず足を止めた。
まだまだ力強く輝く17夜月(立待月)が、蕾のアタマをやんわりと引っ張っている様な・・・(今年は満月を過ぎての開花だったので本格的な桜と月の共演はなかったけど)
立待月は「月がもうじき出そうだなぁ・・」と立って待っている間にもう出てくる月、という意だけど(その後で座って待つ居待月、寝て待つ寝待月・・・昔の月待ちは優雅だ)
この月は「蕾はどれくらい膨らんだかな・・開花はいつかな」と桜の枝を見上げた時、一緒に思わず目にしてしみじみ眺める月。花待月。
2012/04/07 23:55

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2012/03/20

金澤玉響 照波春景 浅野川


全国的に天候の優れなかった2010年の春、
金澤の桜も満開を迎えた直後から何日も激しい風雨に曝され・・・・
これはその約10日後、やっと浅野川の水も綺麗になった日。
(川の水は雨が上がってしばらく経たないと綺麗にならないのです)
連日連夜の激しい雨風は、タップリと花を付けた桜の枝を揺らし続け
大分花は散ってしまったけど、それでもまだ夢のような穏やかな景色。
(逆にかなりの悪条件の中、よくこれだけ花が残っていたモノ。
ここには写っていないけど、川縁は綺麗な桜の花弁の絨毯が出現している
その場に佇んでいる人達にはモチロン、こうやって「桜の下で佇む人達の風景」
を眺めているコチラも充分に心地良い。
浅野川の優しく穏やかな「さざ波」がキラめく様子
そして遥か昔から人々の心を癒し続けている水音(微かに聴こえます)も
お聴き下さい。
(タイトルは、この辺りも舞台になった泉鏡花「照葉狂言」に掛けて)
曲はこの流れをず〜っと眺めて、その印象を表現したピアノ曲「Ripple」
アルバムvesperに収録) 2010年4月18日撮影

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2012/03/07

千杵坂 晩秋

晩秋の低い太陽が苔むした千杵坂の表面を舐めるように照らしている。
緩やかな傾斜の階段坂は泉鏡花の小説に「身を起こして、坂また少し攀じ石段三十五段にして・・」とある、当時のままの35段。
藩政期の終わりごろ、此処ら辺一帯を民衆の娯楽の場に整備する藩主の計画に喜び勇んだ民衆が手に手に杵を持って突き固めて出来たこの坂は(自主的に労働を買って出たそうだ)藩政期に整備された他の坂(例えば多くの寺社仏閣の山門に続く石段坂)などと違って大らかで柔らかい味わい。
緩やかな傾斜面にユッタリとした階段幅、段の高さも低く、上り傾斜が付いて(一つ一つの段が坂・・・というカンジ)全体的にアバウトなムードが漂うけど、そこは人々の生理によって決定された造りなのだろう・・・とても登りやすい。
坂を登り切ったトコロは日暮ヶ丘、三方が崩れてしまい随分狭くなったそうだけど、当時はたいそう繁盛した茶屋があって大いに賑わった場所。
今は東屋と梅林のあるちょっと眺めのよいささやかな台地でしかない・・・磨り減った石段を登りながら当時の往来を、その先にあった賑わう日暮ヶ丘を夢想するのはちょっと楽しい。
2011年11月26日14時29分撮影

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2012/03/04

千杵坂 落葉象嵌

金澤を代表する伝統工芸に蒔絵と象嵌がある。前者は漆器の表面に漆で絵を描いて金や銀粉を撒き定着させるモノ。後者は金、銀、鉄などの地金の表面に付けたい紋様のカタチを薄く(0.5〜1ミリ)彫ってそこに別の金属を嵌めこむ細工。
どちらも優美で艶やか、特に象嵌は高度に繊細な技術を要し、とても贅沢な金澤らしい工芸。
雨に濡れた千杵坂の表面にピタリ張り付くモミジは、蒔絵の様な、あるいは金銀銅、プラチナで象られ嵌めこまれた象嵌細工の様な・・・150年近く経つ苔むした石段が美しい工芸品の様に彩られている。
きっと藩政期に生きた職人さん達もこの様な光景を目に留めていたに違いない。
金澤の工芸がこの街特有の艶のある美に溢れた風景」からかなりの恩恵を受け続けているコトは容易に想像出来る。
雨による釉薬が頻繁にかかるこの地で自ずから育まれた感性が、大いにモノを言っていると思う。
漆器も象嵌も「雨の艶」を手本に発達した部分の多い工芸なのではないかな。
2011年12月12日14時26分撮影

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卯辰山三社 一の鳥居 千杵坂

卯辰山の中腹に設けられた花菖蒲園の脇に伸びる千杵坂。藩政期の終わり頃に着手された卯辰山開拓で、この先には劇場、料理店、茶店や病院、そして卯辰山三社が祀られ大いに賑わった。(その後間もなく廃藩置県とともに衰微)
この坂はその入口。(この上にまだ3つの階段坂がある)

冬の初めのしっとりした雨に落ち葉が濡れて、鮮やかに坂全体を彩る。
写真を撮る時にまず「おや?」と思うのは「鳥居の位置と坂のラインの不思議なずれ」いろいろ調べたのだけど、今のトコロ理由は不明。
自分は「この坂のカーブだとこれくらいズラした方が景色として収まりがいい」と判断した「大胆で繊細なセンスを持った棟梁が決定した」だとしたら洒落ていてイイなぁ・・・なんて勝手に想像している。
実際こうやって鳥居を真正面に見ると登った先の中心と額の位置がほぼ一致して、全体としてなかなかバランスがイイ。
金澤の此処彼処で昔の造形と対峙して、先人の思索をあれこれ空想するのは楽しい。
2011年12月04日12時39分撮影

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2012/02/22

冬の淡空 天神橋袂から

旧市街の家並みに挟まれて緩やかに流れる浅野川は、ほんの少し移動するだけでも眺めがドンドン変わっていく。上流に向かって順に「中の橋」「浅野川大橋」「梅ノ橋」から。ついでに天神橋ちょっと手前からの眺め(←クリックすると画像が開きます)
写真は季節も時間も違うけど、それぞれ200メートルも離れていない場所の「空間を構成する要素の変化」がなかなか大きいコトが分かって頂けるかと思う
ここは天神橋の袂。今まで風景を構成していた重要な要素「橋と卯辰山の柔らかい曲線が織り成すハーモニー」は消え、此処からは広い空とそれを映す川面が主役。大きくせり出した木々は名脇役として四季折々見事に風景を引き立てる。
一歩あゆみを進める度、穏やかなカーブの先に、今までは卯辰山の上にシルエットで僅かに顔を出していた、遠く県境に繋がる山並みがクッキリと見えてくるのは「突然遠くに来てしまった」様なちょっぴり不思議な感覚。夕陽を一番最後まで浴びる彼方の山頂付近が薄くピンクに染まり、澄み切った雪解け水で満ちる川面が鈍く銀色に輝き、淡く美しい冬の夕暮れ。
2011年12月28日16時15分撮影

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2012/02/16

冬の淡空 21世紀美術館

太平洋側の人達が対照的な天候の冬の北陸を訪れて、その暗く重い空の印象を文学や記事にしてきた結果「北陸の冬の空は陰鬱」という印象がすっかり出来上がっていると思う。それに影響されて住んでいる人達でさえ「その様な不満」を抱く人は少なくない。もちろんそれはある意味正しいだろう。
天候を晴れ、曇、雨みたいに把握するコトが習慣になってしまっている地方の人から見ればこの空も「ただの曇天」に見えるのかもしれない。
でも・・・少しだけ佇んで眺めれば分かるコトだけど、ゆったりと、また早く流れ移り変わっていく冬の雲がしばしば空全体に展開する陰影はとても表現力に富み、時間を忘れて見惚れてしまうコトさえある。
時として淡い晴れ間が覗いたり、夕方空の一部が微かに桃色混じりになったりするのも楽しい。金澤のホントの味わいは連続した変化、時として微かな・・を感じそこに絶えず生じている「一期一会の光景」を楽しむコトにある。
豊かな陰影の空と反映する建物が作る風景に、休館日というコトもあって黒一色のカラス達が自由に留まり、モノトーンの穏やかで繊細なインスタレーション空間が出現している冬の夕方。
2011年12月12日16時19分撮影

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2012/02/12

冬の淡空 ひがし茶屋街

金澤の人の中には冬のぐずついた天候と東京のそれを比較して羨ましく思う人が多い。実際私も東京で暮らすようになるまではそう思っていた。
でも住んで一年目の冬を過ごして春になろうとしている時に「とても物足りない」気持ちになった。大切なお祭を見ないまま春になった様な・・そんなモノ足りなさ。
冬だけ日照がかなり少ない金澤(逆に春〜秋は金澤の方が関東よりも日照時間は多い)だけど、雨に雪に洗われた大気が作る青と微妙で豊かな階調の雲が見せる「淡空」はその時間の短さと相まって「夢の様な」ちょっと現実離れした美しさ。
金澤の冬は「どんより曇った日が何日も続く・・」
のではなく「曇や雪雨の間に細かく晴れ間が訪れる不思議な天候が続く・・・」季節。
傘を差す機会がとても多い日常生活の中、日に何度も「こういう空」を思わず見上げるコトによって金澤人独特の感性が育まれてきたのは間違いない。
風花も止んでしっとり濡れたひがし二番丁に和やらかい日差しが降りてきて、また、あっという間に曇って・・そんな変化を眺めるのはただ単純に楽しい。理由もなくワクワクする光景。
2012年02月09日12時20分撮影

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2012/01/29

雪花松図 長町武家屋敷跡

金澤を「雪国」と呼ぶのは未だになんとなく違和感がある。
そもそも寒さがさほど厳しくない。
大寒も過ぎて一年で一番寒い頃だけど、ほんの2日前まではほぼ雪もなく、最低気温が連日マイナス数度まで下がる関東をよそにせいぜい1〜2度止まり。(たとえ降雪日の真夜中でも零下になるコトは少ない。
風も弱いので体感温度の差はもっと大きいだろう。
しかし「強力な寒波」がやってくると「突然」この通りの雪化粧。(前日の夜半あたりから、あっという間だった)
北陸特有の湿った柔らかい雪が枝の細部までびっりし張り付いて、コントラストの効いた派手な雪松図。
円熟の名役者が純白の打掛をブワッと羽織ってしなやかに見得を切っている・・・風にも見える、勢いのある光景。
でも、こんなに積もった雪も金澤では数日で溶けて無くなってしまう。突如街中の木々に満開の花が咲き、数日で全て散ってしまう・・そんな移り変わり様。寒気が居座れば別だけど
この日も次々にハラハラと雪が崩れ散り落ちて・・・半ば傘を差しながらの散策。
日差しが少ない日は多いし、足元が融雪装置の水で歩きづらいコトも多いけど
それを遥かに上回って心踊る光景がしばしば出現する季節。
2012年01月26日 14時08分撮影

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2012/01/21

卯辰流 野外いけばな展(招魂社跡近辺)

卯辰山三社へ続く道、二之坂から脇に伸びる石段。(駐車場&トイレが整備され通年訪問者が途切れるコトのない卯辰山花菖蒲園から僅か100メートルくらいしか離れていないけど・・・知る人ぞ知る場所)
かつてこの石段の上には出羽町にある石川護国神社の前身、招魂社があった(今は記念碑が立っている)何重にもびっしりと積もった落ち葉の色が、少しずつ少しずつ抜けて混ざり始める頃、短い役目を終えた小枝達も加わって・・・・ちょっと一味違う落葉の光景。

「石段全体」を花器に「色とりどりの落ち葉を敷き詰め」てそこに「枯れ枝を投げ入れた」・・・自然が造作した一期一会の(落ち葉と枯れ枝で構成され、刻々と変化していく)いけばな。断続的に弱く降る雨の釉薬もかかって艶も増し、濃い香りも漂い、細かな演出も申し分ない。
昔 から金澤人は「古いモノを充分に踏まえた上で新しく、時として意外なモノを生み出す」コトに長けているけど、実は金澤の自然こそ「見慣れた日常の中に時々斬新で不思議な光景を出現させる」のが上手い。
2011年12月06日 16時03分撮影

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2012/01/19

辰巳瀧 美術の小径

「美術の小径」は昼なお鬱蒼とした森の中、轟々と音を立てて流れ落ちる滝(辰巳用水の分流)の脇、石川県立美術館裏手から中村記念美術館方面へ降りる階段坂
入り口も出口も奥まっているため今まではちょっと目立たない存在だったけど、降りた先に鈴木大拙館が出来たコトによって(緑の小径という新設された散策路によって繋がっている)回遊の動線として徐々に浸透しつつある。
複雑な地形の金澤には個性的な坂が沢山あるけど、ここまで木々に埋もれている坂はここだけだろう。
一帯は「入らずの森」として何百年にも渡って手付かずのままの原生林。
大拙館のトピックでも書いたけどこの周辺は全て元「本多家」の敷地。この急な階段坂もルートはほぼこのままで藩政期から存在していたとのコト。
坂の上と下にある美術館を結ぶ坂、という意味合いからの命名だろうけど、本来は「悠久の森の小径」とでもいうべきか・・・街の真ん中にあって「森の中に潜っていく」様な感覚を味わえる坂。
 2011年11月04日 15時15分撮影

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2012/01/18

近くて遥かな旧市街(卯辰山 見晴らし台付近)

起伏に富む旧市街には多くの個性的な坂があり、その昇り降りでの次元の違い(香り、湿度、空気感・・・場を構成する要素の連続した変化)を肌で感じながら歩き、佇むコトは金澤の大切な味わいの一つだけど、そこから「ほんのちょっとだけ」足を伸ばすとさらにダイナミックな変化を楽しむコトが出来る。
これは1月の上旬のある日、卯辰山の「見晴らし台」付近からの旧市街の眺め。
密集する家々の屋根に前日に降った雪が薄く乗り、街並みがホワッと白い。
遥か彼方、太陽の下に薄く伸びる水平線はこれから鈍く輝き出す頃か。
随分山奥に居るようだけど実は・・・代表的な観光地の一つ「ひがし茶屋街」からわずか1,2キロくらいの散策で眺めるコトが出来る光景(観音坂女坂〜花菖蒲園〜千杵坂〜豊国神社脇〜善妙寺脇の遊歩道を抜けるとすぐソコ。高低差はちょっとあるけど)
モチロン駐車場も整備されているので、車で観光にいらっしゃった方も気軽に立ち寄って(兼六園からもクルマだと10分とかからない)この「近くて遥かな光景」を眺めて頂きたい。
2012年01月09日 16時13分撮影

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