2011/10/17

赤母衣騎馬像月暈光輪図

尾山神社は、その他に類を見ない神門(建立された当時は相当な物議を醸したらしい)に注目が集まりがちだけど、右手奥に豊かに密かに広がる神苑(庭園)を始めとして、趣深い空間が意外と広々と展開している。(モチロン拝殿、本殿は言うまでもなく。また前田家から寄進された貴重な能面を多く所蔵しているコトでも有名)
秋には珍しいたっぷりと湿気を含んだ大気に満たされたこの夜は、高く昇った十六夜の月に大きくクッキリした傘がかかって、まるで懐かしい絵本の挿絵の様。金木犀の香り濃く漂う、優しく幻想的なお月見日和になった。

見上げる前田利家公の赤母衣騎馬像の背景に大きく浮かぶ光の輪はちょっと後光ぽくもあり
利家公が掲げる槍(「槍の又左」という異名をもって怖れられる槍の名手だった)の穂先が十字架の様にも見え・・・時代とジャンルを超えて「宗教的」なムードさえ漂う。傾奇者として有名な信長の親衛隊、赤母衣衆筆頭として大いに武功をあげた利家公にも、おそらく・・・「ニヤリ」として頂けそうな月の光景、騎馬像光輪図。
 2011年10月12日23時49分撮影

より大きな地図で 金澤コンシェルジュ通信マップ を表示

2011/10/02

曲弦トラス単鋼橋 犀川大橋

犀川大橋は、細部にも独特の「美」が漂っていると思う。
大正時代としては先端を行く(日本橋梁技術の先駆者、関場茂樹氏による設計)モダンな橋だったに違いなく、繁華街に直結した場所に架かる橋を多くの人が「こんなふう」に見上げ「ちょっぴり誇らしげ」に感じながら通ったんじゃないかな。
鉄骨の入り方、リベットの盛り上がりなどに単なる機能を超えた時代の香りを感じてしまう・・のもあながち間違っていない想像だろう。
見事に馴染んでいるこの照明は近年になって、両岸にある「犀星の道」をイメージして新たに取り付けられたモノ。円柱状にちょっぴり盛り上がった台座、装飾が施されたステーなど「まるで当初からあった」かの様。ココらへんの塩梅も見事。
この橋を歩いて渡る時にはついつい上流、遥か医王山を望む景色に目が行きがちだけど、頭上に展開している構造美もぜひ感じてもらいたい。
有形文化財としての登録形式は「曲弦トラス単鋼橋」というのだそう。
なんだか・・・その語感にもしっくりくる眺めだと思いませんか。
 2011年09月23日 17時46分撮影

より大きな地図で 金澤コンシェルジュ通信マップ を表示

フォロワー