2011/09/30

夢幻街灯


常々金澤には「あまりにも日常に溶け込んでしまっていて、空気の様に当たり前になってしまっていて」
気が付かない(でも多分記憶には刻まれている)細部の美、一瞬の美景が沢山あると思っている。
毎日の夕暮れにこの街灯が作る風景もその一つ。
※例えば、犀川大橋の袂のあちこちにこんな綺麗な街灯があるコトを意識している人は・・・
意外と多くはないハズ毎日何万人もの人が利用する橋なんだけど。

大正時代に竣工したこの橋のイメージに合わせて「ガス燈」をイメージした灯りが点灯して間もない頃の、
濃いオレンジ色の弱い光と、淡いピンクと水色に染まる雲の背景。
夕方になると「突如出現」したかの様な印象さえある、急に存在感を発揮するこの街灯は、
こんな風に金澤の美しい空を背景に多彩な光景を見せてきた。
「冬の金澤画廊」でもご紹介したけれど・・今回はその秋編。
灯りはじめた街灯が自らの存在を主張しつつ、
周りを一気に幻想的なムードへ誘っている・・・そんなふう。夢幻街灯。
 2011年09月23日 17時41分撮影

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2011/09/28

犀川五層大橋 

淡い色の雲が浮かぶ透き通った空と犀川大橋が見事な調和を見せている秋の夕方。
現在の橋が架けられたのは1924年だから90年近く(前田利家がこの場所に橋を架けてからは400年以上が経つ)
街の歴史を見守ってきた金澤のシンボル的な存在でもある。(この構造の道路橋としては日本最古、とのコト)
意外と気付いていない人も多いと思うけど綺麗な五層のグラデーション(加賀友禅のぼかし配色法を用いている)に塗り分けられている。
そうなったのは1993年の塗り替えの時からで(2008年に再塗装)数年に渡って多くの有識者の慎重な検討が重ねられたコトが功を奏し、
ホント自然に周囲に溶け込んで様々な美景を出現させている。(2000年には国の登録有形文化財に指定された)
今日は空と絶妙なバランスを見せているけど、曇天下の水の色にも近く、そんな日はまるで川面が反映して橋に染みこんでいる様にも見える。
それにしても見事な配色。
古いものの良さを残しつつ新しい何かを加えていく「金澤人の気質」がここにもしっかり発揮されている。
2011年09月23日17時38分撮影

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2011/09/26

逢魔時情景2 21世紀美術館


艶やかな夕暮れのショーも終わりに近づく頃。
スクリーンに浮かぶ、薄暮に沈みゆく街並みが途切れた隣にロッカーにしゃがむ女の子、これもまたほんのり幻想的で優しい夕暮れの風景。
先程から10分ちょっと過ぎた頃、建物を反時計に四分の一周した辺り。
この場所からは「同じ方面の空を映す」ガラス壁面と実際の空の途切れない調和が美しい。
まぁるい建物の外周に沿って歩きながら眺める多彩な光景は、時々現実から少しだけ離れた不思議な世界。
つくづく素晴らしい美術館、そこに反映する金澤の空の多彩な変化の素晴らしさ。
幸せなコラボレーションが年中無休で展開中。
 2010年10月16日 17時45分撮影

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逢魔時情景 21世紀美術館

秋も中頃の「かなり透明度の上がった」見事な夕暮れを大きな大きなスクリーンに映しだすお馴染み21世紀‘現在’美術館。
こういう時はいつもそうだけど「急に幕が上がったように燃え上がる美しい夕焼け」に思わず足を止めケータイで撮影する人もチラホラ。
直接眺めるのもいいけれど、こうやって東の淡い青空をバックに、ガラスに映り込む夕焼けを「それを眺めている人達、美術館の内部空間」と一緒に眺めるのがこの美術館らしい夕暮れ観賞。

表面に浮かぶ街のシルエットが内部空間の奥行きとも曖昧に一体化して・・・架空の街が蜃気楼の如く現れた様にも見える。

黄昏時、逢魔が時は「何やら妖怪、幽霊など怪しいものに出会いそうな時間」だけど
金澤では「何やら不思議な空間、次元と出会いそうな時間」でもある。
昼と夜の境目には 「現在と夢幻が入り交じる」この街らしい魅力的な異空間がしばしば出現する。
2010年10月16日 17時33分撮影

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2011/09/09

名月 雲の大海原 浅野川大橋 


四季折々時々刻々・・・浅野川大橋からの眺めは多彩な変化を見せる。
卯辰山の稜線から顔を出した月がちょっとだけ高度を増して雲の大海原に浮かんでいる秋の夜。
ライトアップに浮かぶ艶っぽい浅野川に加えてこんな日は、大きく広がった夜空も鑑賞対象。
黒い森を挟んで・・・淡く広がる銀色の空と川面の金色の配色が美しい。

金澤では東側に山々が連なっていて「太陽が地平線(低いところ)から昇ってくる」のを眺めるコトは出来ない。
(海にゆっくり沈んでいく太陽や月はあちらこちらから眺められる)
兼六園では昔から早朝に「日の出を見る」人達の集まりがあったけど、
実際は「日の出のしばらく後に、卯辰山方面の稜線から顔を出す瞬間を眺める」いわゆる
「夜明けのショー」が半ば終わった空に昇る太陽を眺めるコトには・・・なってしまう。
だけど太陽より遥かに弱い光の月なら、空の色までは変化を及ぼさないので「稜線から昇ってくる瞬間」も「月の出」として充分に堪能出来る。
そして一旦空に浮かんでしまった後は・・・様々な風景に嵌めこまれて多彩な美しい「月景色」が出現する。
2010年9月23日午後6時53分撮影

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2011/09/07

月見大路 ひがし茶屋街二番丁 秋


ひがし茶屋街はほぼ東西を向いているので、通りのほぼ真正面に昇りかけの「月の画」を眺めるコトが出来る。
お月見に際してなんと見事な舞台&鑑賞装置だろう。
この日兼六園では中秋の名月鑑賞夜間無料開園を実施しており、多くの来園者で賑わっている頃。
ライトアップされた華やかな雰囲気の中でのお月見もいいけど
こうやって茶屋街のスパっと開けた東の空に浮かぶ月を眺めるのもまた格別。
(実際、この夜は「何処で月を眺めようか・・ここもあそこも捨て難い」とあちらこちらを歩きまわった)
昼間は観光客でやたら賑わうひがし茶屋街も、夜は歩く人もあまり多くはなく
(タクシーを連ねて馴染みの茶屋へ・・の様な方が多い)ちょっとモッタイナイ気もするけど
「月が浮かぶだけで」とてつもなく美しい光景が出現する・・のはとても金澤らしい。
ひがし茶屋街はこのメインの二番丁の左右にある茶屋街特有の細い二本の通りで構成されている。
(特に一番丁は細く、そして横に枝分かれてしていて初めての人にはちょとした迷路かもしれない)
普通に考えれば「大路」では全然ないけど「茶屋街」で考えれば充分にその資格のある大通り。
特にこんな月が正面に浮かんでいる夜は「月見大路」とでも名付けたくなる風格。
それにしても見事な月。
2010年9月23日午後7時38分撮影

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2011/09/05

名月 主計町 秋


三つある金澤の茶屋街の一つ、ここ主計町は「眼の前に浅野川が流れている」というとても魅力的なロケーション。
しっとりとしたお店でゆっくり食事が出来ても・・・その後玄関を出ると間もなくゴチャゴチャした現実に引き戻される、
他の都市ではありがちな興冷めなコトがここにはない。
そしてこんな風に「出た途端、予想もしなかった素敵な光景に迎えられる」コトもある。
(この日は時間がまだ早いので、この月をしばし眺めて一献・・というトコロか)
夕方までパラついた雨も上がり、透き通った秋の空に浮かぶ白い雲から明るく大きな月が出たり入ったり。
虫たちの声、秋の深まりと共に香りを増してくる金木犀、穏やかな川の音。
たとえ月が浮かんでいなくても・・・微かに聴こえる柔らかい川音をBGMに茶屋街で過ごしお店を出て・・・
季節季節の、その日その日の、さらに時間の経過で変わる大気の香り
(お店にいる間に変わるコトもある)に包まれながら川沿いを歩きそれぞれの家路へ・・・
金澤ではお店に出掛ける時から帰るまでが連続した味わいのある体験となって記憶に残る。
趣きある景色も空気の香りもその日の食体験の大切な一部分。
2010年9月23日午後6時56分

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2011/09/02

浅野‘湖畔’夕景 秋のはじめ 浅野川


浅野川大橋下流の水面はその二本下流、小橋の可動堰の塩梅でしばしば湖の様になる。
普通「湖面」と「堰から流れ落ちる水音」はそうは遠くないと思うけど、ここでは見渡す限り鏡の様な水面が展開する
(実際小橋は川が折れ曲がった先にあるので全く見えない)。
薄紫色の空と雲の姿をはっきり映して束の間の素敵な夕景。
この橋からの眺めは通勤通学で通る多くの人、そして観光客にもお馴染みで(二つの茶屋街の間にある橋でもある)
この日も思わず足を止めて見入っている人、撮影している人がチラホラ。
その中に地元の高校生が数人混じって・・・
目の前の光景の良さをシンプル(見慣れた風景が今日はちょっとだけ綺麗、というふう)に口にしながら携帯で撮影していたりするのも金澤らしい。
2009年9月19日午後6時17分撮影

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