2011/08/30

単弦ローゼ橋 秋の夕暮れ 御影大橋 犀川


旧市街を流れる二つの個性的な川には、それぞれなかなか個性的な橋が何本も架かっている。この御影大橋もその一つ。
まずアーチが片側にしかない。これは上流山側(画面左側)の遥かな眺望を楽しむため。
これは単弦ローゼ橋という形式で、石川県ではこの橋が最初。平成18年竣工だから県内ではまだこの一本だけかもしれない。
またこの写真ではよく分からないけど、クルマが通れるほど広い歩道もアーチに呼応して曲線を描いている(車道とはほぼ独立していて川の真ん中で外側に湾曲している)
ツルッとした歩道の外壁板は、橋の名前にもある御影石。そしていざという時、水の流れを妨げないように川中には橋桁がない、など・・・・美しさと配慮を兼ね備えた設計。
そんな橋の向こうに夕陽が落ちて行く(金澤では川の下流方面に日が落ちる)。
人も街並みも空も川も橋も・・・全てが柔らかく調和している秋の夕暮れ。
2010年10月17日午後5時4分撮影

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2011/08/28

宮守CANAL(いもり堀)


着々と復元整備の進む金沢城公園、ここは2010年に完成した‘いもり(宮守)堀’。明治40年に旧陸軍によって上部を削られ埋め立てられ・・・戦後は長い間テニスコートだった場所(見覚えのある方多いと思います)をもう一度、丁寧に掘り返し鯉喉櫓台(右端に見える)と共に復元した。
‘復元’と言ってもお堀の周りを芝で囲い、櫓の奥にはサイクリングロードや「石垣の博物館」とも言われる金沢城の石垣構造展示(石垣回廊)を設置する(なかなか人気がある)一方、門やお城自体は可能な限り史実に基づくなど・・・そこら辺の‘塩梅’はとても上手い。
「当時に思いを馳せるコトの出来る構造」と「現代の憩いの場」としての役割を巧みに両立させている。ここも当時は防御のためのお堀だったけど、都市部を流れる運河の様な、平和でユッタリした風景として蘇った。多彩に変化する金澤の空を映す新たな水面が旧市街の真ん中に出現した、とも言える。
2011年8月22日午後6時10分撮影

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2011/08/27

夢あかり ひがし茶屋街一番丁


ひがし茶屋街では年に何度か粋なイベントが「思い付いたように」開催される。
しばしば模様替えがあり、実施日時も内容もドンドン変わっていくコトも多い。
これは07年〜09年まで開催された「夏の夜 夢あかり」イベント。
(今この時期は「かなざわ燈涼会」という規模も大きく充実したイベントが開催されている)
通りに灯籠を並べ、メインの通りや周辺には加賀友禅を贅沢に使った光のオブジェを並べ、幻想的で華やいだ空間をそぞろ歩いてもらおうという趣向。
お母さんに連れられた多分・・・近所のお子さん、いつもとちょっと違う様子に(ここは展示のない一番丁だけど)楽しそう。
たまたま写真に収めた私にも心和む光景だけど、何と言ってもこの子の心に深く刻まれるであろう、でも何気ないある夏の夜の風景。
金澤はお祭りがない地域と言われるけど(百万石まつりは‘パレード’の括りでしょうね)祭りの重要な要素、‘ちょっとした非日常空間を出現させる’コトは・・・実は年中行われている。
2009年8月8日午後7時47分撮影

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観月巡遊 夏 護国神社


旧市街の中心、兼六園や金沢城の周辺は高低差のある複雑な地形に加え、道も曲線を描き、または折れ曲がり・・・元々住宅街ではないコトもあり夜はすっかり静寂に包まれる。
豊かな緑が吐き出す夜の濃い香りを楽しみながら、いつまでも歩き佇めるのは、昼間が暑い暑い夏の夜ならでは。
日々構成が変化してゆく虫たちの合唱にも感じ入りながら(秋の虫の音のボリュームが上がるに従って地面に転がる蝉達が増えていくのは、毎年のコトなれど・・・しみじみ)
所々で「月の画」を鑑賞しながら金澤が本来持っている「幻想的な魅力」を味わうには絶好の季節。
護国神社の銅葺きの第一鳥居の上にボンヤリ浮かぶ月を眺めながら佇む。背後で微かに辰巳用水が兼六園に流れ込む水音が聴こえる。
2008年8月18日午前0時33分撮影





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2011/08/11

入道雲 松もどき 梅ノ橋袂


梅ノ橋の袂にあるこの松は金沢市指定の「景観樹」。
(民間所有のモノから現段階で10本と1つの林を指定し、奨励金や管理費用の補助などで手厚く保護している)
この角度からだと分かりにくいけど説明(左下に見える木製の立て札)にある様に「このアカマツは梅ノ橋から見た東山の景色を最大限に引き出して」いるなかなかの役者。
(二本下流に架かる、同じく木製の欄干を持つ中の橋袂にも見事な松があってこちらは市の管理下にある)
夏の盛りの昼間、湧き出てくる入道雲の姿がフト、松の枝ぶりを真似ている様に見えた。
芸事の盛んなこの街、師匠の舞姿を一所懸命に真似るお弟子さん・・・そんな光景も浮かんでくる様な。金澤らしい夢想。
2011年07月13日 14時31分撮影



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根上松月図 早朝兼六園


金澤では月は様々な風景の中に配置して鑑賞するのが楽しい。
フラリふらり歩いて、刻々と変わる「手前の風景と月の配置」をそれとなく楽しみながら時々‘自分なり’の「月の風景画」に出会いしばし佇む。
これは大分明るくなってきた早朝の兼六園、西の空に浮かぶ月の名残りを眺めながら歩いている時に出会った「この日この瞬間、この地点のみで成立している月の画」。
普段は根の見事さのほうに目が行きがちな根上松だけど200年以上丹精込めて手入れされてきただけあって棚引く枝が作る細部の表情も素晴らしいコトに改めて気が付き、月との「ニヤリ」とする配置の妙に思わず足を止めてしまう。
枝の間からチョコッと顔を出しているだけなのに・・・
月が風景を作ってしまう力はスゴイ。
2011年05月20日 午前04時49分

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2011/08/07

曇天螺鈿 早朝兼六園


























多彩な早朝の兼六園の味わいの中でも私の一番のお気に入りは、
ここで何度も紹介している霞ヶ池、親不知(おやしらず)からの唐崎松方面の眺め。
昼間や夕方に何気なく訪れてもしばしば「ハッと」する美しい風景に出会えるけど
夜明け前から早朝までの時間は、まだまだ鯉達の動きも緩慢で、
波立ちの少ないツルンとした鏡の様な水面に刻々と変わる空の表情も映り込み
思わず見惚れる様な光景が目の前に展開するコトが多い。
夜明けを眺める場所としてこの場所はかなりのオススメポイントだけど
もしも曇っていたり、または雨天の場合でも・・・
どうか「夜明け鑑賞」を中止しないで頂きたい。
金澤独特の変化に富む空模様、この日は夜中の晴れからドンドン曇ってきて、
一瞬弱い朝焼けに染まるもまた曖昧な曇になり、雨が降り出し・・・
(水面に跡がポツポツ見えるでしょう?)
という一般的には
「早朝のひとときを外で過ごす様なコンディションでは全くない」にも関わらず、
兼六園、霞ヶ池は湖面全体が貝殻を裏返した様な優しく淡い光沢を放って・・・
この日この時だけの美しく味わいのある光景。
2008年07月21日 午前04時29分撮影


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2011/08/06

浅野川 日暮れ前の水涼み


浅い浅い浅野川、その優しい流れは浅野川大橋をくぐる辺りでグッと速度を落として深さも増し(二本下流、小橋下の可動堰が流れをかなりせき止めるため)主計町の下を通る頃は湖の様な水面を見せるコトも多い。
ここはその一つ手前、枯山水をモチーフに金澤らしい工夫の施されたスペースのある、浅さと水流が丁度いい梅ノ橋の下流。静かに一人読書する、自転車でちょっと遠方から訪れたっぽい、川面を眺め延々寄り添う二人、時間を決めるでもなく落ち合う犬を連れた人達、ガイドbook片手の旅行客、着物を粋に着こなす初老の男性、髪を小綺麗にアップにした近所のおばあさんが孫を連れて、夕暮れにもなればビール片手の外人達のグループも毎日の様に現れる。
子供達、小〜中学生のグループもカリキュラムの一環として先生引率の元、またこの様に何かのサークルで連れ立ってやってくる。
まだまだ日がかなり長い7月の始めの頃の6時過ぎ、10人くらいの中学生のグループがワイワイ言いながら水涼みをしている。自然が作った曲線と人が作った曲線が入り乱れて構成されている美しく調和のとれた風景の中に子供達が加わり出現した印象的な「夏の画」
その「画の中の子供達」には多分一生心の何処かに残る体験の最中でもある。
この瞬間には思いも寄らないだろうけど。
2011年7月8日午後6時14分撮影



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2011/08/05

湖上蒼鷺図 霞ヶ池 早朝兼六園


兼六園の早朝無料開放が4月から8月いっぱいは朝4時からというコトもあり、かなり暗い(というか真っ暗)なウチから入園するコトが出来る。
夜の間にすっかりリセットされ濃い緑の香りの漂うこの空間をじっくり堪能するコトが出来る。
当然まだ観光客の団体など皆無な時間。
5時頃まではすれ違う人も殆ど居ない・・・兼六園と自分だけの贅沢な散策。
これは太陽が地平線からすっかり顔を出し、卯辰山方面の稜線も超え、夜明け前から園内にいる散策者にとっては「すっかり明けた」印象のある「世界にしっかりとした色がつき始めた」頃の光景。
霞ヶ池の蓬莱島から突き出す岩に蒼鷺が留まり刻々と変化する「リアル掛け軸」が出現している。
普段からあまり逃げない鷺達、特にまだまだ人出の少ないこの時間はますます悠然と構えている。
鷺は金澤のアチラコチラの水辺に佇み、その狩りの習性上ひたすら静止して・・・多彩な美しい光景を出現させる。
2011年7月12日 午前5時7分撮影


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