2011/05/17

新緑回廊 白鳥路


桜満開の僅か後から
兼六園下と大手堀を結ぶ白鳥路※の木々が眩い新緑で天蓋を覆い始める。

桜や、見上げるような位置に沢山の花をつける椿達に負けじと新緑がドンドン芽吹いて、日々刻々と空の色を、風景を変えていく。

春の絵の具が木々の枝から滲み出し緩やかに配色を変えていく絵画の様。

五月も終わりを迎える頃にはすっかり深い緑に覆われた森の小径となる。
夏には脇を流れる清流の上をホタルが飛び交う。(ホタル鑑賞イベントも開催され、その期間は街灯が消され仄かな明りの行燈が並ぶ)

金澤には「観光ポイントを巡る」だけである程度伝わる魅力もモチロンあるけど、通い慣れた路で目にする「日々のささやかな変化」の中でこそ体得出来る魅力がとても多い。(しばしばダイナミックな変化もあるけど)
旧市街の中心部に位置し、通勤通学でも多くの人々が利用するこの小径が見せる四季折々の豊かな表情の変化も「普段の金澤に溢れる魅力」のひとつ。
※元々白鳥堀という優雅な名前のお堀だったモノを昭和の初めに埋め立て路に整備した。
文字通り「放し飼いの白鳥が浮かぶ」お堀だったんだけど実は防衛センサー(お堀に侵入する者があれば・・当然騒ぐため)の役割を担っていた、というのが面白い。
2011年4月17日午前7時14分撮影

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2011/05/15

老松桜舞台


満開の桜たちを従えてライトアップに浮かび上がる、兼六園根上松※(ねあがりまつ)
13代藩主・前田斉泰(なりやす)がわざわざ造らせた松。土を盛り上げて若松を植え、成長後に土を除いて根を露にした。
いつもはドッシリ構えるこの老大松も今宵は若い桜芸妓衆に囲まれ、ウキウキと両手を広げ・・・踊り出しそう、
あるいは口上を述べる座長(この場合は春の顔見世公演かな?)の様にも見える。

全国各地の桜の名所では「辺り一体を埋め尽くす大量の桜」や「見事な枝ぶりの大桜」
などを特徴にしている場所が多いけど、金澤の桜は「風景の一部として」「桜によって魅力がさらに引き立つ風景全体として」味わうのが醍醐味。
「旧市街全体を大きなお庭に見立て」(実際加賀藩では城からの桜霞を楽しむために桜を配置した経緯もある)
複雑な地形に新緑と連なり混ざり合いながら咲く桜の風景を、ゆったり歩き回り、佇み楽しむのが金澤桜味わい流儀。
路地を巡り、坂を昇り降りし、川沿いを散策し、寺院群を彷徨い・・・・刻々と連続して変化する金澤の春景の魅力は趣深く、奥深い。
2011年04月17日 19時02分撮影

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