2010/05/09

金澤玉響 広坂 雨の釉薬

2010年の金澤の春は珍しく風雨に曝された期間が長かった。
でもそのお陰で改めて確認出来たのは「それでも桜はあまり散らない」というコト。
満開の花をびっしり付けた枝が風雨に曝されワサワサ揺れ続け・・・
なのにあまり花弁が枝から離れて行かない光景はちょっと不思議ですらあった。
そして桜は雨に濡れている方が一層美しいというコトも再認識。
旧市街全体が薄く釉薬をかけた様な艶に覆われ、
あちらこちらに出現した、雨天ならではの「桜の光景」もまた金澤らしい。

藩政期、広坂周辺に多く存在した武家屋敷の名残を留める、
深く苔生した石垣にも花弁がまぶされ釉薬がかかり・・・
ミクスドメディアの工芸品(彫刻?)の様にも見えてくる。
(製作年に大きな隔たりがある石の構造の上に、植物の一瞬、水・・・
様々な素材と江戸時代からの時の流れが融合した美術作品の様)
09年には世界初のユネスコ・クラフト創造都市の認定を受けるなど、
金澤の工芸が今も発展し続けている理由の一つとして、
こういう普段の光景の影響があるコトは想像に難くない。
10年4月13日15時33分撮影

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